二宮ひかる『ハネムーンサラダ』について文章を書いています

今回はただの告知です。 ここ一、二ヶ月の間、twitterのフォロワー限定で、ある作品について記事をいくつか集中的に書いています。 『ヤングアニマル』(白泉社)にて、1999年から2001年にかけて連載されていた『ハネムーンサラダ』という漫画についてです。…

ジェシカ・ベンジャミン『愛の拘束』(寺沢みづほ訳・1996年)読書ノート

愛の拘束 作者:ジェシカ ベンジャミン メディア: 単行本 今後のフィクション作品の読解に役立つと思い、各節の要約をつけながら読み直しました。後半の方は具体的な話題をうまく省けず冗長になってしまいましたが、それだけ重要に思える洞察が多かったという…

ALTSLUM「CHAT! CHAT! CHAT!」#1~#3について

最近、「ALTSLUM」というウェブサイトをよく見ています。 altslum.com このサイトでは「CHAT! CHAT! CHAT!」というカジュアルな対談企画を定期的に行っています。この企画では、時事的な話題や日常生活のことについて、(おそらくは若い)参加者の方が飾らな…

2020年読書振り返り(マンガ)

差し迫ってやることもないので手慰みに書きます。 特に基準はなく、書くことがあるやつだけ読了日降順で引っ張りました。最近の作品どころかかなり古いものも入っています。致命的なネタバレはしてません。 チェンソーマン 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) 作…

植物と私

以下の文章は、水上文『monologue』に収録されている観葉植物についての記録に触発されて書いたものである。しかし、その記録とこの文章がどのように関係しているのかは必ずしも明確ではない。読み返すともはやほとんど関係がないような気もしてきた。 植物…

友情――水上文『monologue』の解説について

mizuaya.booth.pm なぜ私がこの本を開くに至ったかという質問は受け付けていない。そもそもこのブログにコメント欄は設けられていない(今後設ける予定もない)。 インターネットで活動中の面識のない相手に言及することには独特の困難がある(この記事の第…

『息あるかぎり私は書く』という本を読んだ感想(あるいは執筆を終えての反省)

先日、このような本を作りました。 今この世に生きている他人たちがこの本について何事か書く可能性はかぎりなく低いと思ったので、自分で自分の書いた本の感想を書くことにしました。

批評集『息あるかぎり私は書く』頒布します(試し読み有)

大変お待たせしています。 10月31日頃、下記のとおり頒布開始しました。 本記事の下部に試し読みのリンクがあります。 『息あるかぎり私は書く』概要 「創作行為を描いたフィクション作品」についてのエッセイ10本を収録した本です。本ブログ記事を改稿+書…

批評集『息あるかぎり私は書く』発行予定について

2冊目の個人誌がほぼ書き上がりつつあります。 現在、表紙に手こずっています。私の技量では、この本のアイデアに一致した表紙を作ることができないのではないかと諦めそうになります。まあできるだけやります。 現段階での序文・目次をここに掲載します。 …

COMITIA131(2月9日)で『平成少女マンガ夜話』を頒布します

前々から宣言していたとおり、2月に個人誌を出すことになりました。 COMITIA131(https://www.comitia.co.jp/html/schedule.html) 日程 : 2020年2月9日(日)11:00~16:00 場所 : 東京ビッグサイト西1・2・3・4ホール 「P01b」のスペースに「hesperas」と…

note記事一覧

大した数でもないのにnoteの記事の一覧性が悪いので、作品名ごとにリスト化します。 【漫画】 二宮ひかる『ハネムーンサラダ』について 咲香里『Sweet pain little lovers』について 森田羊『少女マンガはお嫌いですか?』について・2巻について 吉岡李々子…

【お知らせ】主に近年の少女漫画を紹介する冊子を作ります(しばらく感想記事は減ります)

今回言いたいことは標題のとおりです。 大したことではありませんが、私には以前から漠然とした計画がありました。自分で本を作り、何らかのイベントで配布しようというものです。そこで、どのような本にすればいいのかここ数か月悩んでいました。当初は、こ…

他人たちのような自分―琴葉とこ『メンヘラちゃん』(上)について

メンヘラちゃん (上) 作者: 琴葉とこ 出版社/メーカー: イースト・プレス 発売日: 2012/10/17 メディア: コミック 購入: 3人 クリック: 578回 この商品を含むブログ (13件) を見る この作品は、ある人から教えてもらった。正確には教えられたというより、そ…

Doki Doki Literature Club! (『ドキドキ文芸部!』)についての雑感 2

さて、第二回です。今回はモニカについて思い付きを語るのがメインとなります。

依存の闇と「うれしさ」の自立性―『ラストノーツ』について・3

先の記事では、この物語のテーマが「自立」にあるということを最後に予告していました。 dismal-dusk.hatenablog.com 私がそう言ったのは、3巻では、「なぜ自立できないのか?」(自立していないとはどういうことか)という問いについて3つの答えが用意され…

Doki Doki Literature Club! (『ドキドキ文芸部!』)についての雑感 1

私は中学時代の半分と高校時代の7割をノベルゲームに費やしたといっても言い過ぎではありません。私はノベルゲームとともに青春を過ごし、それらによって育て上げられた子どもでした。このブログに「ノベルゲーム」というカテゴリがあるのは、それが理由とい…

「ここ」で生きていく男、「ここ」を去る女―『ラストノーツ』2巻について

前回に引き続き、標題の作品について気ままに書いていきます。今回は、主に2巻の内容について書いていくことになります。 ラストノーツ(2) (フラワーコミックス) 作者: 桜小路かのこ 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2014/07/07 メディア: Kindle版 この…

祝福された居候状態―桜小路かのこ『ラストノーツ』について

少し間が空きました。前から書こうと思っていた作品についての感想文です。また連載のような形になるかもしれません。 ラストノーツ(1) (フラワーコミックス) 作者: 桜小路かのこ 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2014/04/21 メディア: Kindle版 この商…

遺言としての自己表現―ある人のnoteについて

経緯 今回は作品紹介の記事とは言えないかもしれません。 数日前、ブラウザのお気に入りを整理していたらあるサイトに行き当たりました。そしてそのページを管理している方のnote(ブログのようなものです)を何とはなしに読み、衝撃を受けたのです。これは…

『タビと道づれ』総論―ヤンキー的リアリズムとタビの旅(仮)

とりあえず、無理にでも今回は話をまとめていこうと思います。どんな切り口にすればよいのかかなり迷ったのですが、最終的には、斎藤環『世界が土曜の夜の夢なら』(以下『土曜の夜』)の「ヤンキー的美学」の記述を手掛かりに進めていこうと思いました。 『…

自分の椅子と罪の日傘―『タビと道づれ』ツキコ(と航一)について

今回はツキコについてです。前回のニシムラの片想いをめぐる物語はなかなかシリアスなものではありました。しかし彼女のエピソードは、そのドラマに対して水を差すような読解を提供しているようです。 ニシムラの考えていたことは、第一に「航一と月子は円満…

永遠の片想い―『タビと道づれ』ニシムラについて

この続きです。 今回主に語るのは街の警官ニシムラについてです。この順番でいいのか分かりませんが、とりあえず進めていきましょう。

「この街には何もない」ということ―『タビと道づれ』から

いつもの通り自分語りから始めますと、私は都市らしい都市までは確実に一時間半ほどは要する中途半端な郊外の出身であり、今もそこに住んでおります。この街はなにか全国区の名物を有しており、休日のたび観光客がせっせと足を運ぶ……などということはほとん…

おすすめ漫画集(未完結編)

前回と同じ方針で。 基本的に未完結の漫画を追うことは少ないので、数がありません。

作品の公開と不可能な廃棄―芦原妃名子「月と湖」から

私は、一年ほど前に次のような記事を公開しました。 今でも基本線はここにあるつもりですが、さすがに雑駁に過ぎるとの印象が拭えません。いくつかの点をまったく省略した、素描にすぎないものであることは明らかです。少しずつ補足していく必要があるとは前…

暫定版・ジャンル別おすすめ漫画集(18/7/16更新)

こちらではご無沙汰しています。知人との共有なども目的に作成したので公開します。 独断と偏見でジャンル分けを決めた上で、数を絞るため以下の規則に沿って作成しました。 あまりに有名で古典に類すると思われるものは省略 同じ作家は1シリーズのみ 未完の…

『自殺の歴史社会学:「意志」のゆくえ』について

私は社会学の考え方をきちんと正当な手続きをもって学んだことはなく、社会学の古典をじっくり読んだこともほとんどない。社会学全般に関して門外漢といっても差し支えない人間だと思う。しかるに今回取り上げるのは社会学のちゃんとした本である。

『かたわ少女』琳ルートについて―名もなき絵画と飢える身体

さて、琳ルートです。実は笑美ルートを次に書こうと思ったのですが、ひとつ私にとってあまりにもタイムリーな要素が含まれていたルートなので、静かに向き合えるまで後回しにすることにしました。とっくに残りの全てのルートも終えているのですが、なんだか…

『かたわ少女』静音ルートについて―公正さ、声、切断、日常の唐突

なんだかんだいろいろ考えることのあったルートだと思います。登場人物数が多かった割に一言も触れてない人たちがいますね……まあいいか。

フリーゲーム『かたわ少女』をやりました

前回の記事を振り返ると、いろいろ論理的に不備が見受けられますが、それはまた後の機会に批評自体への考察も含めて振り返りたいものです。 さて、今回は海外製ノベルゲーム「かたわ少女」をやって考えたことをつらつらと書いていきます。 https://www.kataw…