文章を読む

流行曲に性愛疲労の物語を見出してしまう話(DAZBEE『アディオス』/YOASOBI『アイドル』)

この記事で、『ダーリン』という曲はアロマンティックの視点から共感できる、としていた人がいたことを書いた。 dismal-dusk.hatenablog.com こういう解釈は他の楽曲でもコンテンツでも可能だろうと思っている。ただ、私は「そういう風に受け取ることもでき…

ヤンデレ・メンヘラ的形象に関連するMV・音楽20選

本当はBlogger.comを利用している第2ブログのほうで公開しようと思ったのですが、JASRACの保護下にある楽曲の歌詞を掲載するには通常申請が必要であり、包括契約を結んでいる「はてなブログ」のほうが適していると考えたため、こちらで公開します。 留意事項…

岡本裕一朗『ヘーゲルと現代思想の臨界:ポストモダンのフクロウたち』読書メモ

ヘーゲルと現代思想の臨界―ポストモダンのフクロウたち 作者:岡本 裕一朗 ナカニシヤ出版 Amazon 読んでみたら重要なことが多かったので書き留めました。 未だに誤解されることがあるヘーゲル像の修正に役立つかもしれないと思い、公開します。ちなみに、近…

無責任で一方的で、失踪も引きこもりもせず牛乳を買いに行く「推し」文化の話

たいへん有用な論文があったので紹介します。次に収録されている、村松灯「『推しのいる生』の何が新しいのか」です(以下、「論文」はこれを指します)。 ポップカルチャーの教育思想―アカデミック・ファンが読み解く現代社会― 作者:渡辺 哲男 晃洋書房 Amaz…

天竜川ナコン「インターネット・ピエロ」の詞を深読みしたら最終的に人生が捗ってワロタ

どうも、田原夕です。 突然ですが、今日は天竜川ナコンという方の作った曲を解説していきたいと思います。 まずはご視聴ください。 youtu.be 聴きましたか? どんな気持ちになりましたか? 私は、かつてインターネットで自虐的な投稿ばかりしていた頃の鬱屈…

読めていない同人誌・ZINE全78冊の紹介動画を撮りました

GWはどこにも行けず、次回の文学フリマ東京も無理すれば行けるが無理する気にもなれず、知人と予定が合うこともなく、鬱々としていたので深夜に独り言を喋り続けて動画を撮りました。 読めていない同人誌・ZINE全78冊紹介します(1/3) www.youtube.com 発行…

関係の信仰――染よだか『溺れる繭』の感想

当ブログではこれまで、文学フリマ等で頒布されている自主流通の冊子の感想を書いてきましたが、一人の文章のみで構成された冊子をとりあげることは稀でした。 一人で制作した何かへの言及は、その制作者への言及と紙一重になります。賞賛も批判もその人だけ…

文学フリマで買った本の感想(文芸誌編)

今回は、第33回・第34回文学フリマ東京(2021年11月・2022年5月)で頒布されていた文芸誌のいくつかを読んだので紹介します。前回はこちら。 dismal-dusk.hatenablog.com もう半年以上前のため入手できるかわからないものもありますが、私はべつに販促をお願…

文学フリマで買った本の感想(『文芸同人誌ロゼット』第2号 特集 夏の恋)

今更ですが、5月末に第34回文学フリマ東京に行き色々と購入しました。今回は今までと違って評論ジャンル以外の本も探しました。その理由と当日思ったことについてはまた別の記事で書きます。 標題の同人誌はさまざまなジャンルの作品を集めたアンソロジーで…

第33回文学フリマ東京で購入した本の感想②(『よそおい』)

前回は北出栞編『ferne』でした。 今回もまた一冊のみになってしまいました。例によって、すべての収録されているものに言及できているわけではありませんが、できるかぎり書いています。 全体的に こちらのサイトを見ればわかると思いますが、非常に凝った…

第33回文学フリマ東京で購入した本の感想①(北出栞編『ferne』)

毎回思うのですが、本を読んだ時の感想は、書くと同時にそれを読む自分にとって役に立つように書きたいと思っています。 よくSNSで上がるように「~を買いました」というだけではなく、買って読んで自分にどういう変化が起きたのか(あるいは起きなかったの…

ジェシカ・ベンジャミン『愛の拘束』(寺沢みづほ訳・1996年)読書ノート

愛の拘束 作者:ジェシカ ベンジャミン メディア: 単行本 今後のフィクション作品の読解に役立つと思い、各節の要約をつけながら読み直しました。後半の方は具体的な話題をうまく省けず冗長になってしまいましたが、それだけ重要に思える洞察が多かったという…

ALTSLUM「CHAT! CHAT! CHAT!」#1~#3について

最近、「ALTSLUM」というウェブサイトをよく見ています。 altslum.com このサイトでは「CHAT! CHAT! CHAT!」というカジュアルな対談企画を定期的に行っています。この企画では、時事的な話題や日常生活のことについて、(おそらくは若い)参加者の方が飾らな…

友情――水上文『monologue』の解説について

mizuaya.booth.pm なぜ私がこの本を開くに至ったかという質問は受け付けていない。そもそもこのブログにコメント欄は設けられていない(今後設ける予定もない)。 インターネットで活動中の面識のない相手に言及することには独特の困難がある(この記事の第…

『息あるかぎり私は書く』という本を読んだ感想(あるいは執筆を終えての反省)

先日、このような本を作りました。 今この世に生きている他人たちがこの本について何事か書く可能性はかぎりなく低いと思ったので、自分で自分の書いた本の感想を書くことにしました。

江永泉さんが言及していたやる夫スレ「ハリポタ世界と鉄血のオッサム」が面白かった話

タイトル通りです。 この記事は無駄に長いですが、要するに自分の読んだものが面白かったという旨を誰にともなく報告するものです。 このようにブログらしい動機の記事はこのブログでは珍しいほうかと思います。 江永泉さんとはどんな人かというのは、ご本人…

COMITIA131で購入した本の感想

今回は自分で頒布するほうがメインだったのであまり買えませんでした。 敬称略で失礼します。 例)『本のタイトル』(発行者) 『春と東風』(果野) 【あらすじ】東風(こち)は高校生、軽音楽部の友人二人とバンドを組んでいる。彼女はラブソングに歌われ…