2018-01-01から1年間の記事一覧

Doki Doki Literature Club! (『ドキドキ文芸部!』)についての雑感 2

さて、第二回です。今回はモニカについて思い付きを語るのがメインとなります。

依存の闇と「うれしさ」の自立性―『ラストノーツ』について・3

先の記事では、この物語のテーマが「自立」にあるということを最後に予告していました。 dismal-dusk.hatenablog.com 私がそう言ったのは、3巻では、「なぜ自立できないのか?」(自立していないとはどういうことか)という問いについて3つの答えが用意され…

Doki Doki Literature Club! (『ドキドキ文芸部!』)についての雑感 1

私は中学時代の半分と高校時代の7割をノベルゲームに費やしたといっても言い過ぎではありません。私はノベルゲームとともに青春を過ごし、それらによって育て上げられた子どもでした。このブログに「ノベルゲーム」というカテゴリがあるのは、それが理由とい…

「ここ」で生きていく男、「ここ」を去る女―『ラストノーツ』2巻について

前回に引き続き、標題の作品について気ままに書いていきます。今回は、主に2巻の内容について書いていくことになります。 ラストノーツ(2) (フラワーコミックス) 作者: 桜小路かのこ 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2014/07/07 メディア: Kindle版 この…

祝福された居候状態―桜小路かのこ『ラストノーツ』について

少し間が空きました。前から書こうと思っていた作品についての感想文です。また連載のような形になるかもしれません。 ラストノーツ(1) (フラワーコミックス) 作者: 桜小路かのこ 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2014/04/21 メディア: Kindle版 この商…

遺言としての自己表現―ある人のnoteについて

経緯 今回は作品紹介の記事とは言えないかもしれません。 数日前、ブラウザのお気に入りを整理していたらあるサイトに行き当たりました。そしてそのページを管理している方のnote(ブログのようなものです)を何とはなしに読み、衝撃を受けたのです。これは…

『タビと道づれ』総論―ヤンキー的リアリズムとタビの旅(仮)

とりあえず、無理にでも今回は話をまとめていこうと思います。どんな切り口にすればよいのかかなり迷ったのですが、最終的には、斎藤環『世界が土曜の夜の夢なら』(以下『土曜の夜』)の「ヤンキー的美学」の記述を手掛かりに進めていこうと思いました。 『…

自分の椅子と罪の日傘―『タビと道づれ』ツキコ(と航一)について

今回はツキコについてです。前回のニシムラの片想いをめぐる物語はなかなかシリアスなものではありました。しかし彼女のエピソードは、そのドラマに対して水を差すような読解を提供しているようです。 ニシムラの考えていたことは、第一に「航一と月子は円満…

永遠の片想い―『タビと道づれ』ニシムラについて

この続きです。 今回主に語るのは街の警官ニシムラについてです。この順番でいいのか分かりませんが、とりあえず進めていきましょう。

「この街には何もない」ということ―『タビと道づれ』から

いつもの通り自分語りから始めますと、私は都市らしい都市までは確実に一時間半ほどは要する中途半端な郊外の出身であり、今もそこに住んでおります。この街はなにか全国区の名物を有しており、休日のたび観光客がせっせと足を運ぶ……などということはほとん…

おすすめ漫画集(未完結編)

前回と同じ方針で。 基本的に未完結の漫画を追うことは少ないので、数がありません。

作品の公開と不可能な廃棄―芦原妃名子「月と湖」から

私は、一年ほど前に次のような記事を公開しました。 今でも基本線はここにあるつもりですが、さすがに雑駁に過ぎるとの印象が拭えません。いくつかの点をまったく省略した、素描にすぎないものであることは明らかです。少しずつ補足していく必要があるとは前…

暫定版・ジャンル別おすすめ漫画集(18/7/16更新)

こちらではご無沙汰しています。知人との共有なども目的に作成したので公開します。 独断と偏見でジャンル分けを決めた上で、数を絞るため以下の規則に沿って作成しました。 あまりに有名で古典に類すると思われるものは省略 同じ作家は1シリーズのみ 未完の…