文学フリマ京都8(1/14)に行きました

 

東京以外の文学フリマへの参加は初めてでした。前々からやってみたいと思っていたものの、東京に出てしまうとなかなか新しい冊子を作るタイミングが合わず、躊躇していました。しかし前回の文学フリマ東京には出店しないことを決めていたため、なんとか今回の京都合わせで冊子をひとつまとめることができました。

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出店の状況・会場の様子

Webカタログに載っていたブースは600ほどで、東京の半分ほどでした。一つずつ詳細に調べていくと、意外と東京にも出られていた方が多かった印象です。ただ学生サークルなどはやはり関西圏の大学が集結しており、OBの集まりらしきサークルもありました。

小説ジャンルで個人的に目についたのは、高校生~19歳くらいまでの人たちが文芸誌を作っていることでした。買いに行こうと思ったら売り切れていたり、かなり存在感を発揮していた感じがしました。

企業ブースやプロの物書きによる出店もありましたが、異常な人だかりができて通れなくなっているみたいな場所はほとんどなく、動きやすかったです。一昔前の文学フリマ東京もそんな感じだった気がしますが勘違いでしょうか。

 

出店の所感

これは2022年に『生き延びるための自虐』を作ってから思ったことですが、女性(と私には思われた風貌の人)が買っていかれることが少し増えた気がしています。

アニメや漫画について論を書き個人誌を出していた頃は、買っていかれる方の9割以上が男性らしき人でした。最初に書いた少女マンガの紹介本の場合ですらそうでした。2022年以降は、出店時のジャンルを「評論・研究|アニメ・マンガ・ゲーム」から「評論・研究|その他」に移しましたが、これが影響したのでしょうか。

「自虐」というテーマを掲げたら女性も買ってくれるようになったというのは、たぶんそういう行為に走らせる女性差別的な風潮が手伝ってのことで、あまり喜べることではないと当時は思いました。しかし「植物とのかかわり」を考える新刊でも特に性別の偏りが出なかったので、たんに私のスタンスになにか変化があったのかもしれません。私の書くものは相変わらず、典型的に男性的な、不機嫌そうな文章だと自認してはいますが。

 

私の問題と出店名

マーケティングにもならない考察はともかくとして、ブースを訪れた方から訊かれて考えたことがありました。私はどういう方針でものを書いているのかということです。

実際、今回の出店で売った「(インターネット上での)自虐」と「植物とのかかわり」という2冊のテーマは一見かけ離れているように思われます。ただ私の中では、そこまで遠いものには思えていません。どちらも、「他人からの反応が怖い」とか「他人に積極的に関わっていくことができない」という私の感覚に根ざしているからです。

考えてみれば、『生き延びるための自虐』以前に書いた「ハネムーン サラダ」についての本でも、相手の反応に反応しすぎて動けなくなる人々の姿に注目していましたし、創作の中で描かれる創作者に興味があったのも、人間と直接関わることが無理すぎて創作をしているうちに袋小路に入っていくキャラクターたちの姿が自分と重なったからです。

私にとって、自虐でも植物でも恋愛でも創作でも、少女マンガでもアニメでも小説でも、個々のテーマは何でもいいのだと思います。自分がずっと気がかりである、「他人との接触が怖いと何がどのように困るのか」等の問題につながるテーマであるのなら。

最近読んだ本では、「テーマ」と「自分の問題」は異なる、ということが書かれていました。まずは後者を見つけるのが大事だと。

人文系の研究者を読者に想定した本のようですが、ものを書く人は読んでみてもいいと思います。

ちなみに他のサークルを見ていると、サークルの名前がそのまま研究のテーマを表していることが結構多いです(「〇〇研究会」など)。前掲書でもあるように、人が集まって分野を作るならテーマを掲げるのは当然のことでもあるのですが、まあ私はサークルというか個人なので、頒布イベントへの出店名はこのブログの「hesperas」のままでいいかなと思っています。べつにhesperasという言葉について研究しているわけではないし、毎回何についての文章がある場所なのか全くわかりませんが。この文字列にもいちおう個人的な由来はありますが、まあ折を見て言っている気がするのでわかる人だけわかってくれればいいのかなと。

 

買ったもの(抜粋)

今回は自分のブースをあまり離れなかったため買えなかったものが多いです。短歌/俳句ジャンルがゼロになってしまった……

一部を以下に示します。

(凡例)
発行者 タイトル 巻数 特集名など ※奥付を元にしています。

 

 

読んでいきたいと思います。