2022年に読んでいたマンガ作品備忘録

これの2022年編です。

dismal-dusk.hatenablog.com

読んだ媒体ごとに分け、読んだのが昔である順に挙げていきます。

hesperas-drafts.blogspot.com

 

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全1巻。「親友のミカミくん」がとてもよかったです。当たり前なんですが、男性と扱われる人だって淋しいと感じるときはあり、渡辺先生はどうもその点を訴え続けているような気がしました。また「つらいときだからこその視野狭窄」も、先生の作品で非常によく描かれるものです。助けを求めれば他の人は助けてくれたでしょうが、「でも見えなかった」ということを言ってくれる、本当に貴重な作品です。表題作は『ステラとミルフイユ』の外伝的な話ですが、こちらは自分には少し努力主義的すぎて厳しかったです。

 

全1巻。表題作だけめっちゃ好きです。「あたしには夢もなんにもない」と思う主人公と、母を亡くしたちょっと陰のある少年から出る「君はすでに愛されている」という言葉。互いに境遇が違うからこそ慰め合えることもあるんですね。少女漫画の一つの理想形がありました。

 

全2巻。どうして希死念慮のある人をここまで仔細に描けるのか普通に怖いです。また、適宜挿入されるカウンセラーと精神科医? の対話も必要十分で、倫理的にも学術的にもバランスが取れていると思いました(進化論のくだりはどうかと思いますけど)。

ふつう家庭の中で何か子どもに問題起こるとすぐ誰が悪いんだって話になりますが、明らかに問題ある人が特にいなくても、親と子どもの相性次第ではダメな時もあるんだというのがすごく響きました(2/p. 39)。題材的に冷静になれるかわかりませんが機会があればまた感想を書いてみたいものです。

 

Kindle(全て読了)

売野先生の作品は好きでほとんど読んでるんですが、感想を書けと言われると困るものが多く、あまりこの手のリストには入れることができてません。この短編集の中で特異だったのは、「しあわせになりたい」でしょうか。97年当時のディテールや生き生きした人物たちがそれぞれ輝いていて、自分がこの時代に持っていたイメージと少し違いました。90年代という時代の雑多さを考えるうえで、貴重な資料ではないかと感じます。

 

全1巻。オタク女子ものというのは数多出てきたと思いますが、この主人公は二次元への愛好がちゃんと実存に食い込んでいる描写がありよかったです。オタク趣味をたんにキャラクターの味付けにのみ使う傾向は滅ぼされるべきだと考えます。ここではその例を挙げませんが、あなたも思い当たる作品があるのでは?

この作品やオタク描写について詳しいことは長文感想をものする予定です。結末らへんはちょっとなと思うところもあったのでそれも含めて。

 

DMMブックス

全9巻。二人の関係がどうなったかを言ってしまうともうネタバレなのであれですが、途中でアウトな方向に行く可能性がいくらでもあったと思うんですが、その全てをすんでのところで躱したなという感想を持ちました。途中経過のほうを忘れてしまうと何にもならないですね。要再読作品です。

 

Kindle(途中まで)

1巻まで。ストーリーを一切覚えていませんが、男のほうに不動産取引の知識があって突然「おとり物件はマジでうざい」という話をし始めたのが面白かったです。男のほうも思ってますが主人公のキャラクターがいまいちよくわかりませんでした。7巻まで続いたらしいですけど人気の理由は何なんでしょうか。

 

1巻まで。前半くらいまで下ネタを言いまくる展開が続き、あーはいはいと退屈に思っていたのですが、後半になって下ネタ減ってくると割と好きかもしれない気がしました。意地悪い女子を使い捨てない展開には期待が持てます。

 

1巻まで。中央線沿線の街を紹介する一話完結作品です。ストレスなく読めました。でも別に続巻を買いたいかといわれるとそうでもないです。

 

2巻まで。ギターやる主人公の話だった気がします。性暴力被害に遭ったことのある人はフラッシュバックの恐れがあるので読まないでください。結構それについての扱いは深刻で、関わりをもつ表紙の男にも覚悟が問われています。8巻で終わったようなのですが主人公にはとりあえず幸せになっていてほしい。

 

5巻まで。評判通りのすごい作品で、全体的に好きです。性質がどうしても違う人たちがなんとか生活をやるためには互いにどうしたらよいのかということをずっと描いています(これ何かの説明になってますか?)。ただその作法を誰かがわかっているわけではなくて、誰も部分的にしかわからないし実践できない。ただこの物語世界をある意味無慈悲だとかストイックすぎると思う人もいるのかもしれませんね。私はそのくらいのほうがマンガ界では逆に新鮮で好印象を覚えますけど。

 

1巻まで。ギャグセンスが秀逸だと思いました。こういうセンスが突然現れたはずはないんですが、どこかライトノベルっぽさも感じたのでそのあたりからの影響があるのでしょうか。設定はそこそこ非日常的なハイヤークラスの世界で、こういう世界は同レーベルの作品ではたまに見ますね。

 

1巻まで。年上への憧れとか、概念上の母を失ってしまったというさびしさとか、そのあたりに他作品ともうっすら共通する少女漫画感がありました。友人が魔法少女のコスチュームを作っているという設定がリアルなんだかそうじゃないんだかわからなくて良かったです。変なところで唯物論的ですね。12巻まであるのですが、現在の関心とは距離があるため優先度的にはあまり上げられない気がします。

 

1巻まで。タイトルは出オチです。原作をかなり圧縮したのか展開が早めなのと、主人公は口が悪いという設定がどうも絵の表現と合ってないのが気になりました。もう恋愛ものとしては筋書きが見えてるのですが、後半で現れたライバルが暗に敵意を見せてきて面白くなりそうなところで続巻でした。商売上手。

 

ぱすてる 3巻

3巻まで。2002年から始まった作品のようで、あまり期待してなかったのですが予想外に良い作品でした。おそらく読者層的に所謂ラッキースケベ(という言葉は当時まだないですが)が描かれる必要があったのでしょうが、主人公はちゃんとそれを相手への加害として反省したり謝ったりできるし(当然のことなんですが)、同居する相手を恋愛の文脈に巻き込んでいいのかということも、相手の事情を考えて判断しようとしています。現代の多くのラブコメ作品だってお約束として看過してしまう問題について「アウトだろ常識的に考えて」と主人公が内省し突っ込みを入れていくのは驚きでした。

めちゃくちゃ巻数があるのですが、とりあえず第1部みたいなのが終わった時点で感想を書くべきだと思っています。同時期に連合赤軍について調べ始めたせいで読むのを中断してしまったようです。

 

1巻まで。国同士が戦う殺伐とした話でみんな表情が怖いですが、勢いがあって引き込まれる展開です。主人公がんばってください。溺愛要素が思い出せない。

 

1巻まで。サクサク進む展開と特殊能力を伸ばしていく育成ゲーム的な楽しさはあるのですが、悪女になって何をしたいのかという主人公のモチベがいまいち理解できないので追うのは止まっています。

 

1巻まで。アラサーのお悩み的な話ですが、構成がうまいです。人物が割と多めですが難なく頭に入ってきます。「結婚になると2人だけの話じゃなくなるのが怖い」という主人公の考えがありましたが、『純愛時代』という本に似たようなこと書かれてた気がしました。セックスレスの話題も確かあるのですが、複数のテーマを並行してやっていくことができるのでしょうか。

 

1巻まで。ヤバそうなタイトルに反して全年齢向けの健全な話です。乙女ゲームの世界の脇役に転生してなんとかうまく立ち回る感じですね。原作付きで見せ方も上手くすっと話が入ってきました。1巻は舞台を整えたという感じで、盛り上がるのはこれからのようです。

 

6話まで。私が読んだ後、なぜかAmazonから無くなっていました。

おおまかにはオフィスラブですが、監査という嫌われ者の仕事を題材にしており独自性を感じさせます。また4巻ごろから主人公が四角関係に巻き込まれ最悪な辱めを受けたり同時に友人も失ったりとかなり厳しい場面が続きます。打ち切りになってしまっているのは、こういう心理的負荷の高い展開に読者がついてこれなかったんでしょうか。

作者の春山先生の描くR18シーンは特徴的で、この作品では拒んでいるのに求めているという錯乱した描写が抜群に上手くもはや怖かったです。例えばシギサワカヤ「箱舟の行方」のような凄味を感じさせました。代表作?の『夜伽執事』も含め、いつか振り返りたいとは思っています。

 

1巻まで。ナルシストというのはしばしば罵倒語として使われますが、自分に肯定的なイメージをもっていたり、自分の身体や生活を大事にしていること自体は悪くはないはずです。ナルシストという言葉の違う使い方をこの作品から考えてみてもいいのかもしれません。TLの男キャラというのは現実の男性に比しても寡黙だったりフランクな愛情表現が少なかったりしがちですが、こういうキャラも発明されていいはずなのです。

あと主人公の過去の恋愛の闇がけっこう深そうなんでつらい気分になります……

 

コミックDAYS

11巻相当まで。伏線回収がすごいですが、特に私が何か語るべきことはないような気がしています。虚無主義に興味があればおすすめします。

 

1話のみ。映画ぜんぜん知らないので普通に勉強になりそうだなと思いました。性的なものへの接触って個人差大きそうですよね。べつにそれが大人であることの証になるわけじゃなくて、自分の中でそう思いたいときの道具の一つでしかないと思っていますが。

 

3話まで。コメディチックな表現が多めで、線が割と太かったりどこか少年誌ラブコメっぽい画面に感じます。ただ内容としては相手の恋愛感情に歩調合わせようとする意識があったり伝統継承も感じさせます。対象年齢層はあんま高くなさそうですが、ランキング上位にいるので広く人気なんでしょうか。

別に恋愛感情が本気でわからないとかそういう人の話ではないので誤解なきよう。そういうものをお求めの方には、小野ハルカ『桐生先生は恋愛がわからない。』(不朽の名作)を勧めます。

 

マンガmee

1話まで。めちゃ流行っているらしいと聞いて読んだのですが、正直良さがよくわからなかった覚えがあります。トーンが一面にバーッて広がっていたのを久しぶりに見ました。流行っているからには何かがあるんだろうという気持ちで先を読むかもしれないし読まないかもしれません。

 

comicブースト

3話まで。まあオタク友達いない私には関係のない話ですがこういうのが選択肢として現実味を帯びてくるのは良いことだと思いました(他人事感)。てか原作あったんですね。

 

5話まで(4話は未読)。おそらく、都市部で独居する同世代の最大公約数的な欲望を取ったらこうなるのだろうなと思います。面倒くさい関係は嫌だがグループ向けに構築された文化には便乗したい的な(言い方が悪い)。そういった「良いとこ取りの欲望」の課題も、もちろんこの国の制度との関係で今後見えてくる気がしていて、20年代より先を考えるためには避けて通れない作品になると思います。

 

付記

読了した作品が少ないですね。2022年は自虐の個人誌作る以外にそんなに忙しかった覚えがないんですが、何に時間と資金を費やしていたのか謎です。アニメと一般書でしょうか?

今更なのかもしれませんが、悪役令嬢ものや異世界転生もの+αの増加は目を見張るほどで、少しずつ試読できるものから渉猟していますが、ハマる作品はあんまり見つけられていません。元の数がないので、TLでもよかったのは少数でした。

この前、久しぶりに20年前ほどの少女漫画レーベルの作品をいくつか買ってみました。すると『ピエタ』などとてもよい出会いがあったので、定期的にやっていきたいと思います。

個人誌の制作に一区切りがついた気がしているので、来年はこのブログの初期に立ち戻って少女漫画作品の記事も書けたらと思いますし、TL作品については作家毎の論や個人的な大勢を語ってもいいのではないかという気がしています。そして、この備忘録で感想を書くとした作品を読み直し記事を書く必要もあります。やるべきことはたくさんあります。できる範囲で、生活が破綻しない程度にやっていこうと思います。

こうして年一回は振り返らないと、何を読んでも全部忘れていくので(特に電子版やアプリは)できるだけ毎年やれたらいいなと思います。

 

皆様、今年もお疲れ様でした。来年もhesperas(と第二ブログ)をよろしくお願いいたします。