差し迫ってやることもないので手慰みに書きます。
特に基準はなく、書くことがあるやつだけ読了日降順で引っ張りました。最近の作品どころかかなり古いものも入っています。致命的なネタバレはしてません。
実は読んでいました。2巻くらいまで行くとその凄さに気づき最終話まで読了していました。夢中になったマンガとしては明らかに今年一でした。
何がすごいのかまだ良く説明できませんが、私がまず気づいたのはデンジは戦う動機に徹底して俗的で物質的なものしか据えないということです。彼は名誉をうけることも正義がなされることもそれ自体で求めてなどいません。彼はパンが食いたいから、良い寝床で寝たいから、女の子とエッチなことがしたいから本気で悪魔を殺します(ほとんど物語の最後まで)。その徹底されていることをもう少し考えたいと思っています。
有名ですね。近刊では話のペースがゆっくりになったなと感じます。最近は、少女マンガの伝統的な展開を換骨奪胎しながら話を組み立ててってる気がします。親の前で婚約者のふりをするとか。
母と娘というのは難しいな、と思ったのが一番でした。あなたの幸せを願って……と言う母に切り返した主人公のセリフはありがちですが良かったです。
BLです。普段読まないジャンルですが、『うそつきラブレター』のやまがたさとみ作品ということで開いてみました。物語や絵としての良さは正直よくわかりませんが、表題作の年下の男の潔癖なところには共感しました。バンド組もうというのは音楽をすることじゃなくて集まることを目的としてるのではとか、心を開ききってない人間がそばにいるとものすごく嫌な気持ちになるとか、理解が多かったです。
今のジャンプってこういうのもあるんだなあと良い意味で衝撃を受けた作品でした。特に真澄関連、スペクタクルなところはないけど本当に苦悩しつつ考えているという感じでした。
物語の結末について何も言うことはないです。それよりその過程をもう一度二度と再読して振り返りたいと思います。たとえば「なんでこっちが悪者なんだよ」という太一の不満、ここまで正直なマイノリティ描写は他にあまり見たことがありません。
とても厳しい状況から始まる物語で、読んでて胃が痛くなります。アラサーの恋愛関係において、昨今は男性のほうがよほど相手に一歩踏み出す勇気を出せないでいる、だから相手(女性)に自分の意図を読み取らせるというイヤらしさの描写が異常に上手かったです。
介護士の話と同棲者の話が良かったです。
どちらの話も日常場面で非言語的に表現される不機嫌に焦点を当てていて、それを責めるのではなく描いているのが印象的でした。
・衣良:誰かのことを憎んだり意地になったりしたくないが誰かから必要とされたいとは思っている(?)
・少女マンガのヒーローは本当に人間ができすぎている
・老人になってまで性欲を持っていたくない
以上です。
良かったんですけど売ってしまって内容が思い出せません。ただ、犬を追っかけると面白がってさらに逃げようとする……みたいな話があった気がします(だから何?)。
アセクシャル系では今年一だったかなと思います。「性欲じゃなくてもいい」というところが良かったです。
ただ、作者自身もあとがきに書いてますが話にも人物にも無駄がなさすぎてあまりにシステマチックな印象も受けます。2巻くらいやってくれたらよかったのかもしれない。
単純にどの話も物語として面白いです。少女マンガには男尊女卑傾向、ロマンティックラブ・イデオロギーがつきものですが、そこから比較的距離をとった話が多いです。しかし3つ目の話だったかの性被害のくだりは本当にひどいんですが、ああいう描き方は何がどのようにひどいかを描くのにとても成功しているなと思いました。
あとは日生佑稀『デイライト』もよかったのですが、なにがよかったのかという記事はこちらにあります。
あと、沙嶋カタナ『君がどこでも恋は恋』、売野機子『ルポルタージュ-追悼記事-』に関しては、『息あるかぎり私は書く』という本でそれぞれ一部の巻を扱いました。次のリンクから試読できます(第八章が該当します)。
昨年は少女マンガばかり読んでいたので、少年誌の作品とか自分が普段読まない領域まで手を伸ばすことができたのは今年の収穫でした(まだ青年向け雑誌の作品などほとんど知らないところはありますが)。今後も何か良いのがあったら読みたいです。
一般書についてもやろうと思ったのですが、列挙するほど読んでないのでやめようと思いました。来年は必要な本をしっかり読んでいきたいと思います。